ケア業界最高峰の資格と職種の話ケアマネージャーの資格と実情についての記事まとめ

ケアマネージャーに関する基本的な事柄

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介護保険制度を効率良く運用するために生まれた介護のスペシャリストがケアマネージャーだ。1997年の導入当初は、制度をいち早く普及させる必要があったため、比較的容易に資格を取ることが出来たそうだ。しかし現在は、資格取得の難度が高くなっている。なぜなら、ケアマネージャーになるための試験は、誰でも無条件に受けられるわけではないからだ。医師免許や看護師免許といった医療系免許所持者であっても最低5年の実務経験が必要だ。しかも、試験に合格した後は、更に32時間の研修を受ける必要があり、それらの工程を踏んでようやく介護支援専門員としての証明書を受け取れるのだ。ケアマネージャーは、このように狭き門であるが、その理由は、介護業界で重い責任を担わなければならないからかもしれない。

ケアマネージャーの主な仕事内容には、介護関係の書類作成とケアプラン作りが挙げられる。所属先の事業所がよほど人手不足でない限り、現場で直接利用者の介助を行うことはない。しかし、ケアプラン作成においては、その技量が大きく問われる。たとえば、お年寄りでも理解しやすいよう専門用語は極力使わないよう心がける必要があるし、自立を促せる適切なプログラムを組めるように、関係者との折衝が欠かせない。そのため、以前は無制限に要介護者を受け持つことができたが、過労問題が深刻化したため、現在は最高35人までと法律で定められている。

しかし、ケアマネージャーは最低でも介護施設に一人は所在していなければならないと定められており、常に多くの求人があるようだ。とはいえ、良い条件で働ける施設の競争率は高いので、資格を持っているからといって安心しきっていると、自身が希望する環境で働くことは難しくなるだろう。