ケア業界最高峰の資格と職種の話ケアマネージャーの資格と実情についての記事まとめ

受難の時代を迎えるケアマネージャー

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ケアマネージャーの資格試験は数多く存在する介護関連資格の中でも難易度が高い。国家資格である介護福祉士の合格率が60%前後なのに対し、ケアマネの合格率は15~20%と狭き門となっている。しかし、これだけ難易度の高い資格を取得したにも関わらず、ケアマネージャーとして、理想の職場に就職できない人は数多く存在する。それは一体なぜなのだろうか。

主な原因として挙げられているのは、ケアマネージャーの増加である。ケアマネージャーの資格ができてから15年以上が経過して、有資格者の数は60万人を突破している。いくら高齢化が進み、介護施設が増加傾向にあると言っても、流石にケアマネージャーは飽和気味である。介護施設には規模に応じてケアマネジャーの常駐が義務付けられているため、ある一定の需要はあるが、これだけ有資格者が増えると就職における競争は激しくなり、働きやすい環境に就けない人も出てきているようだ。では、競争を勝ち抜いてケアマネージャーとして働くためには、何が求められるのだろうか?

それは、ケアマネージャーとしての質である。法改正によってケアマネージャー1人当たりの担当件数が35~40までと決められたが、仕事量に上限がある場合、仕事の質を求められるのは仕方のない話だ。この傾向はケアマネージャーの試験にも現れており、平成30年度からケアマネージャーの質向上の為に受験資格が変更され、これまで介護の実務経験5年で取得できたものが、介護福祉士などの国家資格を取得した上で実務経験5年と厳しいものに変更されてしまった。更に、試験の難易度も年々難化している上に、平成18年度からは資格が更新制となり、5年おきの更新のためには研修を受ける必要がでてきたのだ。